今年の教団聖会は、「キリストに倣いて:中国アドベント教会・楊紹誠牧師の生涯と信仰に学ぶ」と題して、ゲストに金城学院大学宗教主事・准教授の松谷曄介先生をお招きしました🌻
楊紹誠先生は、我々日本のアドベント教団内でもあまり知られていない方で、ほとんどの参加者にとって、初めて聞く名前でありました。それでも松谷先生が、起こった出来事、手紙、写真、録音など、労して収集なさったさまざまな資料を駆使して、ご自身の信仰もこめてお話しくださったので、一人の信仰者・牧師である楊紹誠という方の姿が、とても生き生きと伝わってきました。第二次世界大戦下の南京、そして中国共産党による戦後の宗教統制という激動の時代の中を、いつもイエス・キリストの後に従って、十字架の愛に生きようとし続けておられた楊紹誠師。ローマ支配下に生きたイエス様と、日本占領下の自分たちを重ね、最も貧しい人々の傍らにいようとなさったこと。戦時中も戦後も変わらず、国の隔てを越えて、中国人であれ、アメリカ人であれ、そして日本人であれ、兄弟姉妹であろうとし続けておられたこと。戦後時間が経つにつれ、どうしても、ざっくりと単純化された構図的歴史理解になっていきますが、そこで起きた一つ一つの出来事、そこに生きた一人ひとりの人の姿をきちんと知ることこそ、現実を見つめる目の養いになるのだと、改めて教えられました。どんな状況下でも、御業を為し続けておられる主をほめたたえ、それぞれ置かれた場で十字架に従っていくとは、何を意味することになるのか、御声に従えますようにと祈らされました。
アドベントの皆さんに、楊紹誠牧師の生涯を伝えられる日が来て嬉しいと、松谷先生は丁寧に心をこめて、ご奉仕をしてくださいました。松谷先生のご著書に登場する、中国宣教に携わった牧師・宣教師の親族・関係者とのエピソードトークにも花が咲き。アドベント教団に限らず、さまざまな教会の方々もご参加くださいましたが、皆キリストにあって一つ。感謝にあふれる聖会となりました。
わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る。 マタイ16:24-25